【秋華賞】ティコティコタック
デビューは当時の馬齢表記で4歳の3月とかなり遅いデビューになった。
しかも初勝利を上げたのは5戦目の5月。その後もなかなか勝ち上がることが出来ず、クラシック戦線とは離れた存在であった。
同世代の牝馬には前年の3歳牝馬チャンピオンのヤマカツスズラン、桜花賞優勝馬チアズグレイス、オークス優勝場シルクプリマドンナの3頭を筆頭に、激戦を繰り広げていた。
秋華賞も上記の3頭に加えて、トライアルのローズSを制覇したニホンピロスワンや多数の夏の上がり馬が力を付けて来ており、混戦が予想されていた。
ティコティコタックも同じく夏の上がり馬だ。
2000年の8月にようやく2勝目を上げたが、クラシックはまだ程遠い存在であったが、着々と掲示板以内での着順も多くなり安定してきていた。
それにしてもティコティコタックという何ともインパクトのある実況泣かせの馬名だが、ラテン音楽の「ティコティコ」という曲と、時計の音「タックタック・・・」が由来のようです。
そんな名前の通り地道に条件戦を上ってきて、ついに9月の大倉山特別で優勝してオープン条件への挑戦権を手に入れた。
そして初めての重賞挑戦が、なんとG1である秋華賞の場となった。
1番人気はオークス馬シルクプリマドンナ。中段の少し前から直線で抜け出す競馬で強い力を発揮してきていた。桜花賞も3着と安定性抜群。
そして2番人気に桜花賞馬チアズグレイス。先行して直線で先頭に並び、根性も兼ね備えた力。サンデーサイレンス産駒で人気も高いが、安定性が無かった。
そんな中、ティコティコタックは10番人気に沈んでいた。騎乗は2回目の武幸四郎。
レースは予定通り、まずはヤマカツスズランが逃げていく展開に。その後ろに桜花賞馬チアズグレイス、ティコティコタックは4番手に抑える。シルクプリマドンナは中段より後ろに位置する展開。
少し遅いペースだったのだろうか。ヤマカツスズランのスピードはほとんど落ちてこないまま、直線に突入。この時点でシルクプリマドンナは中段後ろより抜け出すことが出来なかった。
そのままヤマカツスズランのスピードは衰えぬまま、ゴールが近づいてきた時だった。内からオレンジのブリンカーを被ったティコティコタックが伸びてきたのである。
ヤマカツに並ぶまもなく差しきり、後ろから伸びるトーワトレジャーにも影をふまさず、ゴール版を通り過ぎたのである。
当時は知名度も無かったため、「ティコティコタック」を連呼する実況がとても印象的に聞こえたのである。また2着のヤマカツスズランが7番人気でもあり、大波乱の秋華賞となった。
秋華賞優勝後のティコティコタックは1勝も出来なかったが、競馬のレースに絶対は無いことを証明した馬であったと思う。
また騎乗していた武幸四郎はこの馬でG1初勝利を達成した。2013年のクラシック戦線もメイショウマンボでG1を3勝。ティコティコタックのように着々と力を付けているジョッキーだ。
父 サッカーボーイ
ちなみに今年の秋華賞はあのハープスターが出走しないため、大混戦が予想される。絶対的王者がいないため、ティコティコタックのときのように大波乱も考えられるのでは無いか。穴馬を少し狙ってみようかな?